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知財 Study

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その色だけをみてブランドを見分けられますか? 『色のみ商標に挑戦!』

色商標をご存じですか。平成26年5月14日の改正によって、色のみ商標が開始され、早8年が経過しました。これまで、563件の出願がありましたが、登録されたのはわずか、9件。その登録率は約1.6%です。数値から明らかな通り、登録のハードルは圧倒的に高く、登録されているものはいずれも超大手企業の商標です。

色彩商標について https://www.ippjp.com/blog6/

拒絶される理由って?

大手企業であっても出願は拒絶されます。特許庁は誰に対しても公平かつ客観的な判断をします。そして、最初は拒絶されることが非常に多いです。その時の特許庁の言い分は大体決まってこうです。

商品又は商品の包装に使用される色彩は、色彩を組み合わせたものも含め、多くの場合、商品の魅力向上等のために選択されるものであって、商品の出所を表示し自他商品を識別するための標識として認識し得ない」(業界ではこれを識別力がないといいます。)

では、登録されたのはどのような商標でしょう?

登録事例~みなさんおなじみのブランド

上記のに国旗のように並んでいるのが、登録になった事例です。(内2件は同じ商標です。)皆さんはこれらの商標を見て、どれが、どの企業のものかわかるでしょうか?おそらくは、おわかりになったと思います。(チキンラーメンはちょっとむずかしいかもしれませんが。。)
それは、特許庁が皆さんの「あっ、この企業だ」を判断の基準として、登録したからです。(後述)

企業とはいえ、先に述べたように、まず拒絶から始まります。そこからが勝負で、自分の出願した色からなる商標が「いかに知られているか」=識別力を有しているかを、何度も何度も特許庁とやり取りして1~2年ほどの審理を経てようやく登録を得ているのというのが実情です。

なぜこんなにハードルが高いのか

取得の動機はいろいろあるかと思います。話題だから、権利として強そうだから・・・etc
ここでは、権利能力の具体的な強さについては踏み込みませんが、強力と思って差し支えないでしょう。なにせ、取得できれば、他社に今後一切同じ色の商品を売らせないという地位を確立できるわけですから。
そして、ハードルの高さはここにあります。特許庁は登録機関ですが、お金を払って申請した出願人の味方というわけではありません。むしろ、一般市民の味方です。加えて、商標は更新料さえ払えば、永久に権利を永続することができます。それゆえ、特許庁は強力な権利を登録する際には、私益面・公益面を比較、考慮し、極めて慎重に審査・審理を行います。

どうすれば取得できるのか

では、特許庁から信頼を得られるにはどうしたらよいのでしょうか。
答えは、全国の国民から信用を得ることです。信用というのは、あいまいですが、前ページのブランドのように、全国民が、このカラーをみれば「●●だな」というレベルに至っているのが、信用が蓄積していること、認知されているということの一つの指標です。一度拒絶されて登録になった企業は一般市民にアンケート調査を行って、その正答率をもって、いかに自社の商標が一般人に認知され、信用されているかを主張・立証しています。また、市場占有率や使用期間、地域、広告規模、売上なども重要な指標ですので、できる限り証拠を提出します。特許庁はそれを基に、厳正かつ客観的に判断します。

まとめ

本記事を見てなんとなくハードルの高さをご理解いただけたかとと思います。自社が取得できるかどうかは、道行く人に、同業他社ブランドと並べて色のみを見せるテストマーケティングをして、自社と回答する確率が90%~だとなんとか戦えるレベルかと思います(個人的な感想)。色のみ商標はなかなか敷居が高いですが、商標は、特許や意匠と違い、更新すれば半永久的に使用でき、ブランディング構築にはかかせませんので文字やロゴ商標はぜひ登録しておきたい権利です。
またこの商標改正で、色彩だけではなく、音、ホログラム、動き、位置という新しい商標の登録もできるようになりました。多くの企業様が気をつけなくてはならないのが、知らないうちに他社の権利を侵害してしまっている場合です。以前から権利化せずに使用していたブランド名などが、他社の権利を侵害していることが発覚すると今後使用できなくなってしまう可能性があり、その損失は多大です。よって、つねに他社の知財動向を調査すべきですし、ビジネスに重要な商標は権利化をしておくべきなのです。商標のご相談はこちらです。

 

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