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知財 Study

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知財 Study〈blog〉

セコムからヒント得た!?
模倣されてからでは遅い
模倣を未然に防ぐ「模倣防止協会」とは

Contents

深刻化する知的財産権侵害問題

特許庁の公式Webサイト(https://www.jpo.go.jp/)には
「近年、模倣品・海賊版による被害が複雑化・広範化しており、その対策に積極的に取り組む必要がある」
ことが記載されています。
同サイト上にはその理由として
「これらの被害は我が国法人にとって潜在的市場の喪失のみならず、消費者に対するブランド・イメージの低下、製造物責任を巡るトラブルの増加等の悪影響を及ぼすため」
というものを挙げています。
東京商工会議所の中小企業の知的財産に関する研究会が、中小企業の知的財産に関する調査をしており、
中小企業の10社に3社は国内外でなんらかの被害にあっているという結果がでているにもかかわらず、「警告、訴訟等を行っても侵害がなくならいため」と模倣品被害への対応そのものを諦めている企業も4割に上る結果になっています。
詳しくはこちら 「中小企業の模倣対策を考える」

よって人的リソースやコスト面も考慮すると、非常に効果的なものは「被害を未然に防ぐ」こと、すなわち「模倣防止」が重要になってきます。

模倣防止協会とは?

模倣防止協会とは、企業の大切な財産であるビジネスモデル、技術、ノウハウ、ブランド、デザインなどを模倣から守るため、経験豊富な弁護士や弁理士など専門のプロフェッショナル集団で構成している、模倣防止活動をしている協会です。

これは、模倣防止協会のロゴマークです。図案化した「C」はCOPYの「C」で、模倣者が正規品の上にシールを貼って誤魔化していたのを、模倣防止協会がそのシールを剥がすことで「それは模倣品だ!」ということを露わにしようとしていることを表現しています。

 

現在、模倣についての相談は「何者かによって権利に抵触されてからの対策」が圧倒的に多いのですが、これに対応するためにはより多くの費用と時間、労力が必要です。何故なら、この場合、権利に抵触した相手(人物や会社)が既に模倣品を作成しているからです。
それ故、相手も、模倣品を作成するのに費やした費用や時間を無駄にしたくないと必死になりますので、阻止するのが難しくなります。また一度は阻止できても、しばらく後に権利回避された改良品を作られ、結果的には防止に失敗することもあります。

では、模倣品を作成する前の段階ではどうでしょうか?

新しい商品を作ろうと思っている人が、「何か参考になるものはないか?」と思って企業のWebサイトを閲覧していた時、良いものを見つけたとします。その商品の傍らに「その商品が自社で開発したものであり、特許出願中であること」や「模倣防止協会のロゴマーク」などの記載もあれば、この会社の商品を参考にするのはやめておこうと判断する人もたくさんいるでしょう。そもそも模倣には大きく二種類あり、「悪意のある模倣」と「悪意のない模倣」が存在します。その中でも「悪意のない模倣」が大半を占め、積極的に模倣対策を施していることをアピールすれば、大きな牽制効果を得ることができます。

積極的な模倣対策としては、模倣防止協会の「ロゴマーク」をウェブサイトや展示会などで掲示したり、模倣者を牽制する抑止力の高い「模倣牽制サイト」にリンクを貼ったりURLを記載したりすることが挙げられます。

※「模倣牽制サイト」一部紹介
<模倣に関する法律>模倣をするとどんな法律があるか刑事罰や懲役についての記載

<専門家のバックアップ>模倣に関する専門家集団の紹介

セコムからヒント?

この「ロゴマーク」「模倣牽制ページ」ですが、特に「ロゴマーク」は玄関に貼られた「セコムのステッカー」からヒントを得たものです。
セコムのステッカーはセコムのホームセキュリティを設置しているお客さんであれば、一枚だけでなく希望する枚数をもらえるそうです。目立つところに一~二枚のみ貼っている人もいれば、念のためにすべての窓に貼っているという人もいるとか。このセコムのステッカーが泥棒に入ろうと物色をしている人の目に触れると「この家はセコムに入っているからやめておこう」となり、泥棒の被害から家を守ることができます。
つまりセコムのステッカーには、空き巣や泥棒の抑止力として効果があるということです。
ここからヒントを得て設立されたのが、「模倣防止協会」です。
現在、模倣される前の防止対策について活動しているところは当協会のみになります。
模倣された後のダメージを考慮すると、費用対効果が高くなります。

模倣防止協会会員の声

この協会を上手に活用されている会員様からメッセージをいただきましたのでご紹介します。

S様(エクゼクティブコーチ)

エグゼクティブコーチとして社長様や中間管理職の方を対象に、1対1のエグゼクティブコーチングとマネージャー研修を提供させていただいております。内容は私の過去のキャリアにおける人材育成の体験と膨大な人数のコーチング体験、および心理学等をベースにしたユニークな内容になっています。ある企業様向けに行わせていただいたリーダー研修の受講者の方が転職され、「本当に素晴らしい研修だったので転職先でもお願いしたい」という依頼がありましたが予算が折り合いませんでした。数か月後、どうしても内容を共有したかった元受講者の方は、転職先企業で自分で同研修を行ったそうです。ありがたい反面、複雑な気持ちでどう対処していいかわからず、このサービスを利用させていただくことにしました。今では安心感を得ることができました。私たちのような職業には必須のサービスだと実感しています。

クライアントは悪気もなく、企画やコンテンツ、アイデアなどを使ってしまうことは頻繁にあります。そこで大切な取引先に対し、口頭で言いづらいことを模倣防止協会のマークが「模倣はおやめください」と伝えてくれるのです。

まとめ

◆模倣はほおっておくと、売り上げが伸びづらくなり、ブランドイメージの低下を招く
◆模倣は起こってしまってからでは対応は困難。未然に防ぐことが重要
◆模倣防止協会を存分に活用すべき

あらゆるオリジナル商品やサービスに活用できる模倣防止協会をぜひご活用してみてください。

参考資料:東京商工会議所 中小企業の知的財産に関する研究会
「中小企業の知的財産に関する調査」https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=25708

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