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知財 Study

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知財 Study〈blog〉

中小企業への海外ビジネス展開知財支援
~2021特許庁特許行政年次報告書

特許庁が2021年特許行政年次報告書をまとめました。
2020年の国内中小企業の特許出願件数は3万9789件。全体の17.5%を占め、比率が2年連続で過去最高となりました。
これには2019年からの中小企業への特許出願減免制度など特許庁のサポートの拡充があったことなどが挙げられます。
今回は特許庁の2021年特許行政年次報告書より、中小企業が海外進出時において、知財出願やビジネスへどのような支援があるかをまとめました。

経済のグローバル化に伴い、中小企業も海外進出が進んでいますが、やはり国外では現地の販売代理店との円滑な契約やトラブル防止、販路拡大時の模倣被害などへは特許や商標など知的財産権を取得することは大変重要です。海外において権利を取得し、ビジネスを成功させるための様々な支援がありますのでぜひ活用してください。

Contents

海外出願のための費用の支援

海外における権利取得にはかなりの費用がかかってきます。
そこで特許庁では2008年から海外における出願費用の一部を補助し、2014年にはすべての都道府県において支援可能となり、2020年には799件を支援しています。

<支援内容>
○ 補助率:1/2以内
○ 補助額:
・1企業に対する上限額・・・300万円(複数案件の場合)
・案件ごとの上限額・・・
特許 150万円
実用新案・商標・意匠 60万円
冒頭対策商標 30万円
※悪意のある第三者による先取出願対策を目的とした商標出願
○ 補助対象経費:外国特許庁への出願料国内・現地代理人費用翻訳費用

海外におけるビジネス戦略支援

高い技術を有していても、海外展開においては知財はもちろん経営や技術開発など総合的な戦略が必要になってきます。

<支援内容>
○ 対象:高い技術を有し、特許協力条約(PCT)に基づく国際出願を予定している中小企業
○ 内容:(独立行政法人中小企業基盤整備機構を通じて)3年間専門家によるコンサルティングと国際出願に係る1/2を助成

海外における模倣に対する支援(知的財産侵害対策)

特にアジア地域において、日本の商品は模倣品が多発しています。
模倣の被害とは、ブランドへの信頼の低下や売上へ影響してくるのでなんとか対策を講じたいですが、次から次へと出回る模倣品に対抗することは相当の時間と労力、費用がかかってきます。
特許庁は模倣被害支援も実施しています。

模倣品の調査、模倣品業者への対策費用に関する支援(模倣品対策支援事業)
<支援内容>
○ 補助率:2/3
○ 上限額:400万円
○ 補助対象経費:現地侵害調査費模倣品業者への警告文作成費行政摘発費用 など

冒頭出願などにより現地企業から知的財産侵害で訴えられた場合の対策費用に関する支援
(防衛型侵害対策事業)
<支援内容>
○ 補助率:2/3
○ 上限額:500万円
○ 補助対象経費:
海外での係争に係る費用(損害賠償、和解金を除く)
例. 弁理士・弁護士など相談など訴訟前費用、訴訟費用、対抗措置、和解に要する費用など

海外でブランド名などを悪意の第三者により先取出願された場合の当該商標無効・取消係争費用に関する支援(冒認商標無効・取消係争支援事業)
<支援内容>
○ 補助率:2/3
○ 上限額:500万円
○ 補助対象経費:
海外での冒認商標無効・取消係争に要する費用(損害賠償・和解金を除く)
例. 異議申し立て、無効・取消審判請求、訴訟に要する費用など

海外における知財係争対策

海外での現地企業による出願件数の増加により、知財係争に中小企業が巻き込まれるケースが増加しています。
中小企業は資金不足により応訴できず、事業撤退や会社存続の危機に追い込まれるなど海外におけるビジネスの失敗が懸念されるケースがあるため、特許庁はセーフティネットとしての施策として海外知財訴訟費用保険制度を実施、保険掛金への助成を行う補助事業を実施しており、中小企業の保険加入を促進しています。

<支援内容>
○ 補助率:2分の1(継続して2年目以降も本補助金の対象となる場合は、3分の1)
○ 補助対象経費:中小企業等の保険掛金

海外における知財活用支援

<支援内容>
対象:
ライセンス契約の締結や販路開拓等、外国での知的財産権の活用を目指す中堅・中小企業や地域団体商標登録団体
○ 国内外におけるセミナーの開催から現地専門家を活用したビジネスプランの作成支援やビジネスパートナーへのプレゼンテーション機会の提供等にわたる包括的支援
○ 海外見本市への出展支援及び現地における商談会等の開催によるビジネスパートナーとの商談機会の提供
○ 採択された企業・団体が持つ技術やブランド等を活かした商品等を海外展開するためのプロモーション活動の支援を実施
○ 現地パートナー候補の発掘等、海外事業展開に必要な調査の実施

海外進出に関して様々な支援がわることをおわかりになりましたでしょうか。
グローバルニッチトップを目指して挑戦してみようとアクションを起こす時は、上手に支援を活用し、専門家と一緒に進めていくことが成功の鍵となります。

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